原作:佐賀崎しげる/鍋島テツヒロ 作画:空路恵
マンガUP!/スクウェア・エニックス
▶︎ ebookjapan「片田舎のおっさん、剣聖になる外伝 はじまりの魔法剣士」1巻
『片田舎のおっさん、剣聖になる外伝 はじまりの魔法剣士』1巻のあらすじ
SQEXノベル発の大ヒットタイトル、「片田舎のおっさん、剣聖になる ~ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件~」の初の公式外伝コミカライズ!!
レベリス王国の片田舎・ビデン村の剣術道場で師範をするベリル・ガーデナントの元に、一人の少女が入門する。少女の名はフィッセル・ハーベラー。負けず嫌いで誰よりも稽古を重ね努力する彼女は、道場の中でもめきめきと頭角を現してゆくが、同時に魔術の力にも目覚めて…。これは、剣聖に憧れた少女が剣と魔法で高みを目指す物語。(引用)マンガUP!/スクウェア・エニックス

主要な登場人物

【フィッセル・ハーベラー】
本作の主人公。何をやってもすぐに上達する天才肌だが、努力も惜しまない。また、相当な負けず嫌いである。
ある日、魔物を退治した(と思われる)ベリルを目にして剣に興味を持ち、ベリルの道場へ入門した。物語はここから始まる。この時、フィッセル13歳。
「剣は難しいが面白い」と思い修行に励んでいたが、やがて魔法が使えることに気が付く。剣術に魔法を使うのは「ズルい」と考え、思い悩むのだが…。

【ベリル・ガーデナント】
”片田舎”のビデン村で剣術道場を営んでいる。本人に自覚はないが、並ぶ者がいないほどの剣の達人。その指導力と人柄から、弟子たちに尊敬され慕われている。
早くからフィッセルの才能を認め、彼女のことを「努力型の天才肌」と評した。

【クルニ・クルーシエル】
フィッセルと同世代の少女で、相当な怪力を持つ。ベリルに弟子入りする前から王国トップの騎士団であるレベリオ騎士団への入団を目指し、入団試験も受けていた。入門当時15歳。
フィッセルとは切磋琢磨し、ライバルとも呼べる良い関係だったが、予想より早くレベリオ騎士団への入団が決まってしまう。そのためクルニは皆伝を受ける前に道場を去ることになった。

【バルデル・ガスプ】
本職は鍛冶師だが、「剣士の気持ちを知りたい」という目的でベリルに弟子入りした。当時45歳で、入門はクルニと同時期。豪快な性格で、声がデカい(笑)。

【ウォーレン】
ベリルの門下生のひとり。
入門したての頃は血気盛んな青年だったが、ベリルの道場で修行する過程で精神的にも成長を遂げた。
※本作では第2話の冒頭で卒業したので出番は少ない。しかし原作小説ではのちのち出番が巡ってくるので、アニメ版でもいずれ出番があるかもしれません。なので、ここで紹介しておきますw。
『片田舎のおっさん、剣聖になる外伝 はじまりの魔法剣士』1巻のストーリー展開
第1話『フィッセル、剣を学ぶ。』
冒頭、フィッセルがベリルの道場に入門し、皆に紹介されるシーンから始まる。
フィッセルは挨拶で「全員倒す」と言ってのけた。やる気十分である(笑)。
【弟子入り1ヶ月後】
フィッセルはベリルに弟子入りして以来、隙あらば素振りを繰り返していた。この頃、ベリルから剣を学ぶ理由(将来の希望)を聞かれると、フィッセルは「楽しいから」と答えた。
ベリルも「剣技を磨く日々には心躍った」と自身を振り返る。
そしてフィッセルは、同じ13歳で同期のロンという少年と”組み打ち”することになる。
フィッセルは負けてしまい悔しがるのだが、すぐに冷静に敗因を分析してみせて、ベリルを驚かせるのだった。
【弟子入り半年後】
フィッセルはロンとの組み打ちで、実戦で使うのは難しいという「木葉崩し」を使って勝利し、周囲を唸らせる。ベリルはその光景を見て、フィッセルを「努力型の天才肌だな」と評した。
第2話『フィッセル、先輩になる。』
【弟子入り3年後】
ベリルはこの時点でフィッセルのことを「弟子の中で最も教えを理解している」と評している。
そしてこの頃、フィッセルは自身の”ある変化”に気づいていた。
また、相手に「素振り千回」を求める(※)のもこの頃からである(笑)。
(※コミカライズ版第7巻66P参照)
天才肌ゆえに人を遠ざけてしまっているフィッセルを心配するベリルだったが、この時期に同世代のクルニがバルデルとともに弟子入りした。
フィッセルはベリルから言われて2人に素振りを見せると、2人はその”練度の高さ”に驚嘆する。
特に騎士団を目指しているクルニは刺激を受け、フィッセルと行動を共にするようになった。
そしてクルニが弟子入りして1ヶ月後、フィッセルと3本勝負の組み打ちをすることになる。
この頃、すでにフィッセルは門下生の中でもトップの実力だったが、1本目はクルニがその圧倒的な膂力(怪力)でフィッセルの剣を体ごと弾き飛ばして1本先取。
2本目は技術面で上回ったフィッセルが勝利。2人は互いに「楽しい」と言って笑い合う。
そして3本目も、フィッセルがクルニの木剣を折って勝利。クルニは「すごい!」と感心するのだが、フィッセルは戸惑いの表情を浮かべていた。
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第3話『フィッセル、魔力に目覚める。』
フィッセルはクルニとの組み打ちの3本目で、「負けたくない」という思いから無意識に魔法を使っていた。そしてそのことをクルニに伝え、「ズルをした」と詫びるのだが、クルニは「それは能力であって、ズルではない」とこたえ、「魔法で戦術が広がるっすね」と言うのだった。
ここでフィッセルの頭に「剣と魔法の二つを極める」と言う考えが浮かぶのだが、それは自分が目指した「剣の道」ではないと思い、今は剣に集中すると決意を新たにした。
【弟子入り約4年後】
バルデルが「次は鍛冶を極める番」と言って道場を去り、さらに数ヶ月後、クルニがレベリオ騎士団の入団試験に合格した。
ベリルをはじめ門下生たちは祝福するのだが、合格者はすぐに王都バルトレーンへ向かわなければならなかった。この年に合格できると思っていなかったクルニは、ベリルの皆伝を受ける前に道場を後にすることになる。
第4話『フィッセル、未来を考える。』
クルニの希望で、最後にフィッセルと組み打ちを行うことになる。クルニはこの頃から接近戦を得意としていて、フィッセルに攻勢をかける。
フィッセルは、わざと隙を作って誘いをかけ反撃するが、クルニはこれをかわした。騎士を目指すクルニは、ベリルの「勝つ戦いよりも負けない戦いをしろ」という教えに忠実で、体勢を乱したまま誘いに乗ることはなかった。
そしてフィッセルはクルニに”超接近戦”を仕掛けてクルニの膂力を抑えるのだが、接近戦が得意な訳ではなく、剣道でいう「後の先」(返し技)を狙っていたのだった。そしてついに返し技「蛇打ち」(へみうち)で勝利する。
【弟子入り約5年後】
クルニがベリルの道場を去って半年後、フィッセルはベリルから”卒業の証”である剣を受け取った。
そしてフィッセルはベリルに「最後のお願い」をする。それは「本気の勝負をしてほしい」というものだった。
第5話『フィッセル、新たな道へ。』
ベリルはフィッセルからの申し出に少し戸惑うが、彼女の真剣な表情を見て承諾する。
そしてベリルがフィッセルに「実戦想定」でいいかと確認すると、ベリルの雰囲気は一変。「殺気」を纏ったベリルの姿にフィッセルは息を呑む。
フィッセルはかつてベリルから「将来なりたいもの」を聞かれたが、現在に至っても明確な答えを持てずにいた。それゆえ、ベリルとの勝負で自分の未来を決めようとしていたのだった。
だが真剣勝負の中で、フィッセルは改めてベリルの”凄さ”を実感する。どんな攻撃もベリルの「超人的な動体視力」に阻まれ、適うことはなかった。そしてベリルの見ている世界が「果てしなく遠い」と感じる。
最後にフィッセルは奇策を仕掛けるが、結果はベリルの勝利。勝負を終えたベリルは、いつもの優しい表情に戻っていた。
そしてベリルは別れ際、フィッセルに今後どうするのか聞くのだが、フィッセルは「負けて悔しいから秘密」と、つれない返事をする。筋金入りの負けず嫌いである(笑)。
フィッセルは「次にやることができた」とベリルに告げ、「またね」と言って道場を後にする。
実家に戻ったフィッセルは、両親に炎の魔法を見せ「魔術師学院へ行きたい」と言うのだった。
「剣と魔法を合わせれば、先生(ベリル)の強さに届くかもしれない」と期待を胸に魔術師学院へ向かうフィッセル。
ここで1巻は終了。
※漫画版の7巻では魔術師学院が舞台となり、フィッセルの出番も増えています。

まとめ
正直、あまりスピンオフ作品は読まない筆者ですが、この作品は期待以上の内容でした。
本編でもフィッセルやクルニなどのキャラ設定がしっかりされているので、スピンオフ作品単体でも十分楽しめる内容になっていると感じました!本編のファンにもおすすめできる作品です。
剣の修行を終え、後回しにしていた魔法を極めるべく魔術師学院に通うことになったフィッセル。
どのような学院生活が描かれるのか、2巻にも期待です!
この記事はここまでです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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