ミーナと同タイプのロボットも登場|人間とロボットとの様々な関係性とそれぞれの想いが描かれる(一部ネタバレ)
【出典】:『僕の妻は感情がない』作画・杉浦次郎/掲載紙:月刊コミックフラッパー/KADOKAWA
『僕の妻は感情がない』5巻の紹介です。本巻は以下のような展開となっています。
今回も内容盛りだくさんです。ネタバレしない程度に紹介していきます!
1 5巻のあらすじ
一方、ミーナはロボットを激しく嫌う中学生・絵里栖からスタンガンで攻撃されていた。
絵里栖は自身が通う中学校の「ロボット研究部」に所属しているが、その部には「ロボットを町から追い出す会」という裏の顔があった。物語の後半で絵里栖の隠されていた秘密と、彼女がロボットを嫌う理由が明かされる。
また家政婦ロボットやミーナと同タイプのロボット・サツキも登場し、人間とロボットとの様々な関係性が描かれる。
2 5巻の主な新キャラ
【久永 めぐ】
絵里栖が通う中学校の2年生。「ロボットを町から追い出す会」の会長を務める。
品行方正で真面目なタイプ。
【小野 美智香】
「ロボットを町から追い出す会」の2年生。
ロボットに対して高度で地味な嫌がらせを行なっているが、実はロボットが好き。
【高須賀 明日香】
「ロボットを町から追い出す会」の1年生。
ロボットを追い出す、ということについてよく考えずに会員になっていた。そのため本巻後半で現実問題に直面して困惑する。
【メイダ2型ロボット】
ABCロボット社の家政婦ロボット。スーパーミーナと同じく表情豊かなタイプ。
だらしない息子のために両親が買い与えたロボットなのだが、その息子から「好き」と言われて対応に困っている。タクマ宅の近くのマンションの7階に住んでいて、時々タクマたちの仲睦まじい?様子を見ていた。
【サツキ】
ミーナと同タイプのロボット。ミーナとそっくりだが口元が微笑んでいるのが特徴。
とある事情で「生産終了後のジュース」を探して続けているところ、タクマたちと出会った。
3 5巻の感想と見どころ
「お隣さん」の正体
ミーナが「お隣さん」と呼ぶ幽霊の正体は、大家の母親の”生き霊”だった。タクマが借りた家の元住人であり、現在は認知症のため施設で暮らしていた。
タクマは大家と共に彼女”てるちゃん”を訪れ、「リフォームした台所」を使わせてもらえるよう頼み、承諾される。
このエピソードはここで終わっていますが、今後「お隣さん」こと”てるちゃん”がタクマに悪さをすることはなさそうです。
人間とロボットの共存に反対する人たち
勇 絵里栖に続いてロボットを受け入れない人々が登場します。中学生の部活ですが、これも社会の一面でしょう。表向きは「ロボット研究部」であり、裏の顔は「ロボットを町から追い出す会」というもので絵里栖も所属しています。
同会長の久永は「ロボットは人間の仕事を奪い人間の生活を脅かす存在」だと言い、ロボットを排除することを目的として日々活動しているわけです。といっても暴力には反対で、割と地道なやり方でロボットの邪魔(嫌がらせw)をしている模様。
人によって考え方や価値観が違う以上、こういった考えを持つ大人の団体も作品世界には存在するのかも知れません。
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レボコミ
ロボット・サツキのエピソードが切ない
【ミーナ】
「サツキさんの所有者はおそらく亡くなっています」
これを聞いてタクマは何とかしてやれないかとミーナに言いますが、ミーナは「彼女の幸せをタクマ様が決めるのですか」と返すのだった。
ミーナの態度は冷たく感じますが、同じロボットとしてサツキにロボットの役目を全うさせたいという考えです。ここでは人間であるタクマとの考え方の違いがはっきりと出ています。
ここでのやりとりはシビアで読み応えがあるので、本編でじっくり読んでいただきたいシーンです。
個人的にもロボットにとっての幸せとは一体。。。と考えてしまったシーンでした。
引用:杉浦 次郎『僕の妻は感情がない』5巻86Pより
雨に打たれているサツキの姿が切なすぎる。。。微笑んでいるように見えるから余計に、です。
ミーナと入れ替わったサツキ
ミーナは「人と会う用事がある」と言って出かけるのですが、ここは「再びミーナを攻撃する絵里栖」の段落へ繋がります。
その一連のセリフはサツキがロボットとして「所有者と添い遂げたかった」と言っているかのようで心に刺さるシーンです。
個人的にはここが5巻のハイライト。
サツキには今後もレギュラーとして残って欲しいと思うのですが、難しいかな。。。
主人との接し方に悩む家政婦ロボット・メイダ2型
メイダは主人に自分がどうすればいいのか聞くと、主人は「そのままでいい」としか言わないとのこと。そりゃあ困りますね(笑)。
ここでミーナは「心・感情」について語ります。ミーナは人間の感情のことを「非合理性の煮こごりのようなものだが、人間はとても重視する」と言うと、メイダも自分の主人が言ったセリフに当てはまることに気づいてハッとします。彼女の主人は「お前の感情っぽいのはただのプログラムなんだよな」と言っていたのです。
さらにミーナは「プログラムの方が完成度が高い。人間はおこがましい」とまで言いますw。たまにこうして人間に対して上から目線になるのもミーナの個性なのでしょうw。
そしてミーナは自身の体験から「人間らしさや感情を感じさせる行動パターン」をメイダに伝授するのですが、当のミーナは意図的にそういったパターンに沿って行動したことは一度もないと言い、その理由も述べます。ミーナは「感情があるように勘違いさせてもその先はない」と言っているようで、少し寂しい気もしました。
でも逆にミーナは無意識にそのような行動を取っているのでは、と思うと頭が混乱しそうです😅。
これも大谷が遺したプログラムに起因しているのか。。。
これでメイダと主人との関係に良い変化が訪れるのか、また語られる機会を待ちたいと思いました。
再びミーナを攻撃する絵里栖
※イメージ画像です
ミーナは絵里栖のスタンガン攻撃に耐えました。ミーナはグレードアップアップしたことで「落雷しても重要な部分は壊れない」耐久性を得たと別のシーンで語っており、このことが幸いしたのかも。
後日絵里栖は小野と共に再びミーナを呼び出し、罠まで仕掛けて攻撃しようとします。
ミーナはこれを撃退するのですが、その攻撃シーンは「えっ!?」と驚くものでした。少なくとも私は意表を突かれました😅。
※ここからの記載はネタバレを含むので5巻を未読の方はご注意ください!
知りたくない場合はこちらから「4 最後に」までお進みください。
絵里栖がロボットだったのはかなり意外でした。それにミーナの強さにもびっくり。
絵里栖がどんなタイプのロボットなのかは不明ですが、力ではミーナシリーズの方が上回っていたということでしょう。
それと、この時のミーナはフェイスプレートをサツキと交換していたので口元が微笑んでおり、絵里栖の腕を引きちぎるシーンがとてもシュールでした😅。
「人間が作り出した理想の隣人がロボットなの。人間らしくないわけがないでしょう」
結構、これがシンプルな答えのような気もします。
絵里栖をめぐる人たちの心情
ここでは久永と小野の主張をメインに展開します。二人とも驚くほどの聡明さをもって意見を述べますが、どのような結論に至っても絵里栖の”心”を救うのは困難な状況でした。
そこへ絵里栖の”母”が現れ「そのままでいてくれる?あなたの代わりはいない」と言い、絵里栖は救われたようでした。「代わりはいない」というところはサツキの話も連想させます。
本来であれば攻撃性を持ってしまった絵里栖の人格プログラムは修正されるべきなのでしょう。しかし勇家の母はそれを選ばず、もし絵里栖が問題を起こしても責任を負う覚悟です。
倫理的・社会的には問題がある判断と言えますが、これは子を想う親の気持ちであり、人間の持つ不合理な一面として描かれたのだと思います。
4 最後に
『僕の妻は感情がない』5巻の感想と少しの考察でした。
巻を追うごとに作品の深みが増していき、1巻の”ほのぼの感”は少なくなってきましたが、その分読み応えがあります。
個人的にはサツキのエピソードが刺さったので今後も登場して欲しいのですが、記憶をリセットされた後に再登場の機会があるのか、次巻以降を楽しみにしたいと思ってます。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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