コミカライズ版『悪人面したB級冒険者 』|際立っている主人公グレイのキャラクター像
原作:えんじ 著者:こげめ 掲載紙:電撃コミックスNEXT/KADOKAWA
この作品をおすすめする理由
1 1巻のあらすじ
ある日、グレイは街で花を売っていた少年と少女を暴漢から助ける。
その少年はゲームの主人公イスカだった。
グレイは2人から「家族を助けてください」と懇願され、彼らが生活する場所へ案内される。
そこはスラム街の外れにある小屋で、子供たちが6人で不遇な生活を送っていた。
とりあえず1ヶ月間だけ食事の面倒を見ることにしたグレイ。
結局グレイは子供たちを見捨てることができず、イスカたちを引き取ることを決意する。
2 主人公・グレイのキャラクター像
(引用):『悪人面したB級冒険者 主人公とその幼馴染たちのパパになる』第1巻より
主人公のB級冒険者・グレイ
といった感じです。
冒険者ランクはB級ですが、戦闘シーンを見るとB級以上に思える強さです。
グレイの確たる信念
『できることをせずに後悔しながら生きるのは御免だ』
これがグレイの考えで、ひとつの信念と言えるでしょう。
ゲームの知識がないグレイは、この先起こるイベントなどを回避する有効な手段を取ることは出来ません。しかし、グレイは何があろうと己の信念に従って行動します。
イスカたちを引き取ることを決めたのも『ここであの子達を見捨てたら絶対に後悔する』と思ったからです。
このブレない生き方には共感できます。
冒険者モードのグレイ
【チンピラたちを一蹴】
とりあえず1ヶ月間子供たちの面倒を見ることにしたグレイはその直後、子供たちを狙っていたチンピラたちに絡まれる。
グレイはチンピラたちを一方的に叩きのめして「あの小屋の子供たちには手を出すな」と警告する。
自分に絡んできた理由を聞くと、チンピラたちはグレイを同業者と勘違いして交渉を持ちかけようとしたと白状する。グレイは「人を見た目で判断するな」と一喝。
ここでは”警告”してチンピラたちを見逃しますが、その後は容赦しません。
【組織をひとりで殲滅】
叩きのめされたチンピラたちは「強欲な蜘蛛」という組織のメンバーだった。
同じ組織のメンバーで、グレイの命を奪おうと尾行する覆面・黒マントの男たち。だがグレイに気付かれて返り討ちにされる。子供たちの小屋を監視していたチンピラたちも、あっけなくグレイに倒される。
グレイは警告を聞かなかったチンピラと、その組織に容赦しなかった。
【難易度に見合わない依頼もキッチリこなす】
グレイは冒険者ギルドでエルダーオーク討伐の依頼をひとりで受ける。ちなみにこの依頼は高難易度だが報酬額がそれに見合っていなかった。だがグレイがこの依頼を受けたのは、エルダーオークの”ある部位”が貴族に高値で売れるからだった。
依頼主の村長は、本来であれば足りない金額分の”埋め合わせ”にと村で一番若くて綺麗な娘・マリナに一晩グレイの相手をするよう頼み、孤児で村に恩があったマリナは断ることもできずに承諾する。
そして夜、マリナはグレイのいる宿を訪れるのだが、グレイは「必要ない」とあっさり断りマリナを帰すのだった。う〜ん、紳士である。マリナは恩義を感じたのか、翌朝に朝食を作ってグレイへ届ける。
グレイが依頼を達成した際には「もう一泊していきませんか」と引き留めようとするなど、グレイの男っぷりに惹かれたようである。マリナにまた登場の機会があるのか、楽しみにしておきたい。
討伐対象であるエルダーオークは人間のことを「蹂躙するだけの家畜」と思っている様子から、かなり高ランクの魔物と思われる(作中での言及なし)が、グレイは1人でそのエルダーオークを何体も倒していく。その姿・表情はまさに悪役そのもの(笑)。
(引用):『悪人面したB級冒険者 主人公とその幼馴染たちのパパになる』第1巻より
このように、敵や魔物には容赦のないグレイの姿がカッコよく?描かれています。
それにしても圧倒的に強い。何か秘密があるのかも知れません。
父親モードのグレイ
冒険者モードとは一変して、優しい一面が見られます。
子供たちは「悪人面」のグレイに怯えることもなく懐いています。
作中ではその理由について特に説明はありません。
本能的にグレイの本質を見抜いている、といったところでしょうか。
子供たちの可愛いシーンも満載
(引用):『悪人面したB級冒険者 主人公とその幼馴染たちのパパになる』第1巻より
(引用):『悪人面したB級冒険者 主人公とその幼馴染たちのパパになる』第1巻より
子供たちから完全に懐かれています。
それにしても戦闘シーンとのギャップが激しい(笑)。
3 主な登場人物
【アリアメル】
孤児たちの年長者でお姉さん的な存在。家事をこなし、まだ幼いニナたちの面倒もよく見ている。
文字の読み書きができるが、グレイによるとこの世界の子供にしては珍しいとのこと。
【イスカ】
RPG「ブライトファンタジー」の主人公。
街中でフィオと花を売っていたところ通行人から暴力を受け、そこへ偶然通りかかったグレイに助けられた。今のところグレイが見る限り普通の少年だが、グレイは将来イスカに力を貸そうと考えている。
年長者として頑張るアリアメルを助けたいという思いで冒険者を目指すようになる。
グレイは主人公のイスカがこの世界の勇者と思っていたが、勇者には別の人間が選ばれた。
イスカの将来の職業は冒険者なのか、それとも別のものなのか、気になるところである。
【フィオ】
イスカと同年くらいの少女でイスカと行動を共にすることが多い。
イスカと同じく冒険者を目指すようになる。
【ラッツ】
おっとりした少年。グレイによると、よく動物と目で会話しているらしい。
【ニナ】
まだ幼い少女。グレイを最初から怖がることなく懐いて「お父さん」と甘えるようになった。
【ステラ】
ニナと同じくらいの年齢の少女。バンパイアハーフだが、アリアメルたちは気づいていない模様。
【ガンザス】
グレイと同じB級冒険者で「血斧」のリーダー。よくグレイに絡んでくるが、相手にされないか無視されているw。顔はコワモテだがグレイと同じく悪人ではないようだ。
【サシャ】
ギルドの受付嬢。その見た目から”悪事役満”など悪い噂しかないグレイだが、彼女によると自分も他のギルド職員も噂を信じている者は誰もいないとのこと。彼女を通してグレイが冒険者として信頼されていることが分かる。
【マリナ】
エルダーオークの討伐を依頼した村の娘で、元は孤児。
最初はグレイを「怖い」と感じていた。その夜、村長の頼みで「お世話」をするためグレイの宿へと訪れるのだが、断られてあっさりと帰された。
これで「優しい人だったな」と見方が変わり、どうやらグレイに惹かれてしまった様子。
【エミリア】
グレイの元パーティーメンバーで、現在は女性だけのA級パーティー「戦乙女」のリーダーを務める。
過去にグレイと交際していたことがあり、今でもグレイのことを何かと気にかけている。
4 1巻の感想と見どころ
やはりグレイという強烈なキャラクターがこの作品の魅力だと思います。
見た目が悪人面で誤解を受けやすいが、基本真面目で良心的でもあるためギルドからの信頼も得ています。何より圧倒的に強い!
物事をはっきりと判断し、即行動に移すところは見習いたいくらいです。
そして敵には無慈悲と思えるほど非情ながら、自分が保護した子供たちには優しいお父さんのように接していて、このギャップがいい。敵に非情なのは子供たちとの生活に禍根を残さないためで、この厳しい作品世界の中で生きていくのに必要なことだと言えるでしょう。
それから子供たちがとても可愛く描かれていて、個人的には親戚の子を見ているようで和みますw。
5 最後に
物語にはまだ謎が多く、子供たちが何者なのか、抱えている事情もはっきりしません。
グレイが子供たちに優しいこと、そして『できることをせずに後悔しながら生きるのは御免だ』という考えを持つことも、前世で家族を失ったことが少なからず関係していると思えます。
2巻以降で子供たちの素性が明らかになるのか、そして他国で選ばれたという勇者の存在も気になるところです。
未読の方にぜひ読んでいただきたい作品です。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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