良質な家族愛を描いた作品|兄・カインは単なるシスコンではない!
主人公のシスコンっぷりが評判(?)ですが、それだけではなく深い家族愛が描写されており、画力も高くコミカルな描写も優れたこの作品。
Amazonのカスタマーレビューや ebookjapan での評価も4.5以上と高く、異世界ファンタジー好きの方には必見の作品です。
1 1巻のあらすじ
乙女ゲームの実況中に過労死して、公爵家の嫡男・カインとして転生した「俺」。
その妹はゲーム内で将来「悪役令嬢」となるディアーナだった。まだ幼いディアーナはとても可愛く、溺愛するようになるカイン。
しかし、この世界がゲーム通りに進めばディアーナが悲惨な結末を迎えてしまうことをカインは知っていた。
カインは家族として妹・ディアーナを守ると誓い、バッドエンドを防ぐために奮闘する。
2 主な登場人物
【カイン・エルグランダーク】
本編の主人公。エルグランダーク公爵家の嫡男で転生者。ゲームでは攻略対象キャラのひとり。
元の世界では定時で帰れる割とホワイトな会社に勤めていたが、残り時間のすべてを動画編集や乙女ゲームの実況に使っており、そのため無理が祟って亡くなった模様。ある意味異色の転生者ではw?
生前、乙女ゲーム「アンリミテッド魔法学園」の実況をする中、どの分岐にも登場して必ず悲惨な末路を迎える悪役令嬢ディアーナを見ていた。そして生まれてきた妹の名前がディアーナと聞き、カインは自分がゲームの世界に転生したことに気が付くのだった。
【ディアーナ・エルグランダーク】
乙女ゲームのキャラで悪役令嬢。
ゲームのディアーナには悲惨な運命が待っているのだが、兄のカインがあらゆる面からそれを阻止しようと奮闘している。
その甲斐あって今のところ悪役令嬢になるような兆候は見られないが、果たして。。。
【イルヴァレーノ】
乙女ゲームのキャラで暗殺者。カインと同じく攻略対象キャラのひとり。
イルヴァレーノは孤児院の子供で、すでに暗殺組織に属している模様。このキャラも放っておいたらとんでもないバッドエンドを迎えるため、カインは自分の侍従として側に置くことにするのだった。
【王太子】
※名前はまだ出ていない。
乙女ゲームの攻略対象キャラのひとり。
1巻では最後に少し登場しただけでまだ性格などは不明だが、王城で開かれた「刺繍の会」でディアーナを突き飛ばして怪我をさせ、カインを激怒させた。
ゲームの王太子ルートではディアーナが王太子の婚約者となっており、ディアーナは例外なくバッドエンドを迎える。このためカインは婚約を阻止しようとするのだが、実際にはまだ婚約の話などなく、周囲からはカインの妄想と思われている。
3 感想と見どころ
設定が新鮮
「悪役令嬢の兄として乙女ゲームに転生」という設定が珍しく、他の悪役令嬢モノとの大きな違いとなっています。
作中で4歳のディアーナは無邪気でかわいい。カインは「優しい良い子に育ててやれば、悪の令嬢にはならないかも知れない」と考え、ディアーナを家族として守ると誓います。
カインは妹をバッドエンドから救うために奮闘する
【引用】『悪役令嬢の兄に転生しました』1巻77Pより
暗殺者ルートを潰そうとするカイン
カインは自分がいる世界が”乙女ゲームの中”ということに気づいており、登場人物やその攻略ルートの知識もあって、これは大きな強みです。
ディアーナはゲーム内の全ルートに登場して、どの分岐を選んでもバッドエンドを迎えてしまうという悲惨なキャラ。
そのためカインは各攻略者のルートを潰し、ディアーナを悪役令嬢にしない道を探し出そうとします。ゲームの知識があるとはいえカインがいるのは現実世界であり、相当過酷な道です。
1巻では攻略対象者のうち”暗殺者”と”王太子”の2名が登場します。
カインがどうやってルートを回避していくのか、見どころのひとつです。
主人公・カインのキャラクターについて
ゲームの攻略対象キャラの1人であるためポテンシャルが高い
前世の知識があり、大人の視点を持つ
妹ディアーナを溺愛しているが、甘やかしているわけではない
カインは持って生まれたポテンシャルに加え、自身を高める努力を惜しみません。こういう姿勢には共感できます。
前世では社会人だったため、大人の視点も持ち合わせているのがカインの強みです。
子育て上手なカイン
ディアーナを溺愛しているカインですが、本人によると「褒めて伸ばす方針」なだけで、決して甘やかしているわけではない、とのこと。
バッドエンドを回避するためにも「優しく良い子」に育てるため、カインはまだ幼いディアーナを優しく導く。
・自分で出来ることは自分でするように誘導
作中、ディアーナがわがままを言うシーンがあるのですが、カインは上手に優しくなだめます。
カインが妹を溺愛しているだけではないことが分かるシーンです。
こうした姿を見ると、カインは優れた教育者のよう。もしくは子育て上手。
子育て経験や、子供と触れ合う機会のある方には共感できるシーンです。
また、幼少期の子供に愛情を注ぐことの大切さも描写されていて、考えさせられます。
ほどよいコミカルな要素
カインのシスコンっぷりがコミカルな要素として時おり入っていて、この作品の明るい要素となっています。
【引用】『悪役令嬢の兄に転生しました』1巻14Pより:ディアーナとの初対面からこれ(笑)
作画が非常にきれいで、ディアーナもかわいく描かれています。
【引用】『悪役令嬢の兄に転生しました』1巻31Pより
物語はバッドエンドの不穏な空気を漂わせつつ、コミカルなシーンもはさんで全体的に良いバランスとなっています。
4 最後に
個人的に、この作品のテーマは「家族愛」ではないかと思っています。
読者がカインとディアーナを「親や親戚の目線」で見ると、とても微笑ましく感じることでしょう。
カインが望む「優しいよい子」に育ちつつあるディアーナ。今後の展開も気になります。
まだ未読の方に、ぜひおすすめしたい作品です。
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