ロボットを介した父と娘の物語・第37話はファン必読!
【出典】:『僕の妻は感情がない』作画・杉浦次郎/掲載紙:月刊コミックフラッパー/KADOKAWA
『僕の妻は感情がない』6巻のあらすじ
ミーナに暴力を振るった件で、絵里栖と勇家の母は謝罪のためタクマ家を訪れる。この件を初めて知ったタクマは勇家の母に強く当たるのだが、これにはタクマなりの考えがあってのことだった。
ロボット研究部に古い対話型ロボットを直して欲しいという相談が持ち込まれる。部員たちのアドバイスを受けた相談者・林が出した結論に注目。
タクマはミーナシリーズを手がける会社・一条ロボティクスから「マモルの身体を人間型にさせていただきたい」と提案される。返事は保留し、タクマはマモルの知育に取り組むのだが、教育方針をめぐってミーナと意見が対立し、初の夫婦喧嘩に発展してしまうのだった。
6巻の新キャラ

【林 りん】
ロボット研究部へ相談に来た1年生の女生徒。
相談内容は「父の形見ともいえる古い対話型ロボットを直せないか」というもの。この相談を受けてロボット研究部の部員たちはそれぞれの考えを巡らせるのだった。

【一条ロボティクス社の社長】
素性を隠してタクマとミーナと接触した。
ミーナを作ったロボット開発者・大谷とも関わりが深く、「ロボットが人間と対等に生きる社会」を夢見ている。

【一条 シトラリィ】
所作が優雅で品のあるお嬢様といった印象。一条社長を「お父様」と呼んでいる。
絵里栖の通う中学校に転入し、ロボット研究部を訪れた。

【火星人】
たこ焼き屋を営む火星人。自分のことは「火星人型ロボット」で通している。
3巻収録の描き下ろし漫画で登場したニーナの父親で、はぐれてしまったニーナを探している。
父親が本編に登場したことで、ニーナもいずれレギュラー出演を果たすのか?
『ブキミの谷のロボ子さん』

訳あって引きこもり気味の青年・上小杉のもとに、見た目が女子中学生の「人型アンドロイド」が送られてくる。上小杉は嫌がりながらも「人間とは何かを知りたい」という彼女に「ロボ子」と名付け同居生活が始まる、というストーリー(3巻完結済)。感情を持たないロボ子の表情やセリフに、なぜか愛嬌が感じられます。
作品のトーンは暗めながら、上小杉がロボ子に振り回されるシーンはコミカルで、最後もきれいにまとまった良作です。
『僕の妻は感情がない』6巻の感想と見どころ
怒れるタクマ
紗瑛も頭ではアップデートするべきとは思っているものの、そうすれば絵里栖の人格が変わってしまうため、それができずにいるのです。同席していた小野が助け舟を出しますが、タクマの意見は変わりません。
さらにミーナも「自分の身に危険はなかった」と言うのですが、タクマは最初のトラブルの時、自分にそのことを知らせなかったミーナにも怒りをぶつけます。
あくまでアップデートを要求するタクマ。悲しむ紗瑛を見て、絵里栖はどうすべきか苦悩します。
しかし、実はタクマは絵里栖が「どれくらい両親のことを大切に思っているのか」を確かめるために強い態度で臨んでいたのでした。そして絵里栖に「二度と暴力は振るわない」と約束させて、アップデートはしないまま許します。
ちなみに小野が絵里栖の危険性を抑える拡張プログラムを組み込んだことで、絵里栖は両親を悲しませるような行動は取れなくなっています。これをやってのける小野は凄すぎ。まだ中学2年生!
今までにない厳しいやりとりがあったものの、最後は”いつもの感じ”でホッとする終わり方でした。
帰ってきたマモルとメーカーからの提案
飯田とセンジュと入れ替わりに絵里栖が訪れます。マモルは最初のトラブルの時に絵里栖を危険と認識しており、彼女に体当たり(?)しますが、これはご愛嬌。
やがてタクマも帰宅し、絵里栖の訪問を歓迎します。これで絵里栖の一件は丸く収まった感じです。
結局、会社への返事は急がないのでじっくり考える、ということになりました。
【第37話】ロボット・ピラミーのエピソード
ここはぜひ本編で読んでみてください(68P〜69P)。
このシーンは6巻の「泣ける」シーンです(72P〜74P)。こちらもぜひ本編で読んでください!
『ブキミの谷のロボ子さん』

訳あって引きこもり気味の青年・上小杉のもとに、見た目が女子中学生の「人型アンドロイド」が送られてくる。上小杉は嫌がりながらも「人間とは何かを知りたい」という彼女に「ロボ子」と名付け同居生活が始まる、というストーリー(3巻完結済)。感情を持たないロボ子の表情やセリフに、なぜか愛嬌が感じられます。
作品のトーンは暗めながら、上小杉がロボ子に振り回されるシーンはコミカルで、最後もきれいにまとまった良作です。
タクマたちに声を掛けてきた男性と、サツキの再登場
そして夫婦間の取り決めとしてミーナのお小遣いを月3万円と決めると、ミーナは早速通販サイトで何かを注文します。タクマは何を買うのか知りたがりますが、ミーナは教えようとしません。
サツキはとある事情(5巻をご参照ください)で長期間街を彷徨っていたと推測されます。
そのためパーツが錆びたり傷んでしまったようで、髪の乱れも「幸薄い女性」を思わせます。
しかしロボット同士の会話は極めてドライです。ミーナは「万が一、私がロストした時にサツキがいれば(タクマが)悲しまなくて済むかも」と言うと、サツキは「そうなると嬉しいな」と言います。
それにしても、サツキがこういう形で再登場するとは思ってもみませんでした😅。
筆者の好きなキャラなので、今後どうなるのか見ていきたいと思います。
タクマに「ロボペイ」を勧めた男性の正体
そして社長は在りし日の大谷との会話を思い返し、大谷がロボットの目的・使命を「すべての人を向社会的人間になるよう促す」と考え、あえて人間に近いデザインを避けたことも明かされます。
ロボット研究部を訪れた”一条シトラリィ”の目的は?
そして彼女が話す「女生徒型のロボット」の話は、よくある「自分のことを他人に置き替えて話す」手法ではないかと思いましたが、果たして。。。
マモルのことで夫婦喧嘩が勃発
タクマは”気持ちや考え”を優先し、ミーナはあくまで”効率”を重視するあたり、両者の違いを感じさせます。
それでもタクマはミーナに「(意見を)ぶつけてくれるのは嬉しい」と言います。タクマがミーナと対等に接していることが改めて分かるシーンです。
「気にしないで」と言うタクマにミーナは「気にしていません。私は悪くありません」などと返しますが、強がっているようにも見えます。そしてタクマが「もう一回してくれる?」と言うと、ミーナは力を押さえてそっとタクマを抱きしめます。
まとめ
『僕の妻は感情がない』6巻の紹介でした。
本巻ではこれまでよりもシリアスな内容で、ほっこりするシーンも少なめです。
登場人物たちの会話も、セリフが多くて少々難解に感じるシーンも多かった印象です。この点は読む人によって好みが分かれるところかも知れません。
しかし、その分だけ作品の世界観は深まっていると思います。
あと、作者の杉浦先生がコメントで「長編漫画でエネルギーが切れる」と書いておられたのも気になりました。
すごく好きな作品なので、これからも応援したいと思います。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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