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『片田舎のおっさん、剣聖になる』3巻・ミュイの登場で物語は新たな展開へ

『片田舎の剣聖3』アイキャッチ 片田舎のおっさん、剣聖になる
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魔法少女とドレッドヘアの登場で新展開|おっさんのイメージはタコかクラーケンか?

出典】:片田舎のおっさん、剣聖になる~ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を
放ってくれない件~』3巻
漫画:乍藤和樹 原作:佐賀崎しげる/鍋島テツヒロ

掲載紙:どこでもヤングチャンピオン/秋田書店
本巻の見どころは、まず最終局面を迎えるネームド「ゼノ・グレイブル」との戦闘シーンです。ベリルがゼノ・グレイブルの左前足を切り落として窮地を脱した後、最強冒険者のスレナが本領を発揮します。
そして盗賊団「宵闇の魔手」との対人戦闘シーン。盗賊団には魔法を使える少女・ミュイが関わっていて、ミュイを保護したベリルとルーシーは盗賊団の討伐に向かいます。
魔法を使う盗賊団首領と魔法師団長ルーシーの戦闘シーンは見ものです。

「なろうの最終兵器」とも呼ばれているこの作品、アニメ化も決定しています。

2025年4月よりテレビ朝日系全国24局ネット”IMAnimation”枠・BS朝日で放送開始予定
ティザーPVはこちらから
電撃オンライン

1 3巻のあらすじ

冒険者パーティーの迷宮攻略に同伴したベリルたち一行は”ネームド”のグリフォン「ゼノ・グレイブル」に急襲されるも、ベリルとスレナとの共闘でこれを討伐した。
この戦闘で剣を失ったベリルは、かつての弟子でもある鍛冶師・バルデルの店を訪れる。
スレナは事前にバルデルを訪れてゼノ・グレイブルの鉤爪を渡し、ベリルの剣の素材として使うよう依頼していた。ベリルはこの話を断るのだが、バルデルの熱意に押し負けてゼノ・グレイブルの剣を受け取ることにした。
その後ベリルは街中でスリの少女・ミュイと遭遇する。そしてこの出会いが物語の新たな展開へとつながるのだった。
片田舎のおっさん、剣聖になる~ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件~ 3巻

2 3巻の新キャラ紹介

バルデル

【バルデル】

レベリス王国に店を構える鍛冶師でベリルの元弟子。
元から鍛冶師だが、「剣を打つために剣士のことを知りたい」という理由でベリルの道場に入門した経歴を持つ。握手をしただけで剣士の特徴や体調まで分かるという達人レベルの職人である。
ベリルがゼノ・グレイブルの剣を持てば「もっと強くなる」と確信しており、固辞するベリルを熱意を持って説得した。どのような剣に仕上がるのか楽しみなところ。

ミュイ

【ミュイ・フレイア】

街中でベリルの財布を盗もうとした少女。魔法が使える。
ある目的のため盗賊団「宵闇の魔手」に所属してスリを働いていた。ベリルの財布を盗もうとして失敗し、これがきっかけで魔法師団に保護されることになった。

宵闇

【宵闇】

首都バルトレーン近郊で活動している盗賊団「宵闇の魔手」の首領。ドレッドヘア?が特徴的。
魔法が使えるミュイを自分の組織に取り込むため、彼女を騙して利用していた。
魔術師ではないが強力な魔装具をいくつも持っており、魔法師団長のルーシーと戦うことになる。

ロバリー

【ロバリー】

「宵闇の魔手」のメンバー。出番は少ないが存在感があるキャラ。
ベリルとルーシーがアジトを訪れた際、宵闇は二人を分断するためロバリーに指示を出した。
このことから盗賊団の中でもそれなりの立場の人物と見られる。
ロバリーたちは外でベリルを迎え撃つ形になるのだが、団員の大男の攻撃を難なくいなしたベリルを見ても驚かずに「へえ」と感心するなど、腕前もなかなかのものだと思われる。

 

3 3巻の感想と見どころ

おっさん、スレナと共にゼノ・グレイブルを撃破する

ゼノ・グレイブルの両眼を潰したベリルだったが剣は焼き切られ、鉤爪で反撃されて万事休す! ここでスレナが駆け戻ってベリルに自分の剣を投げ渡し、ベリルは鉤爪を切断して窮地を脱した。

最初の見どころです。
窮地を脱したベリルはゼノ・グレイブルの「刃が通らない場所」を見抜き、スレナへ伝えて同時に斬り込んで一撃を与えます。
するとゼノ・グレイブルは宙に舞い上がり、灼熱弾で周辺一帯を焼き払おうとします。ベリルは剣を投擲しますが、これは攻撃ではなくスレナへ剣を返したのでした。
スレナは驚くべき跳躍力でゼノ・グレイブルと空中で対峙し、剣を受け取って最後の攻撃に出ます。
ページ数としては短いながらも、やはり緊張感があってここは見応えあり!です。

”ネームド”を討伐したことで冒険者ギルドは大騒ぎとなる。
ポルタは大怪我を負ったものの無事だった。そしてベリルとの初対面時に握手した時の感触を「岩みたいに鍛え込まれていた」と思い起こしていた。ポルタにも大きな影響を与えたようである。
そしてメイゲンはネームド討伐に尽力したベリルに礼を述べるのだが、ベリルは「皆を無事に帰せずに申し訳ない」と逆に詫びる。これでメイゲンもベリルのことを認めるのだった。

この「岩みたいに鍛え込まれていた」感触こそがベリルの強さを裏打ちするものであり、その強さは努力と鍛錬の賜物だと言えるでしょう。もちろんベリルには素質もあるとは思いますが、努力する主人公には好感が持てます。
メイゲンはベリルの実力と人柄を完全に認めた模様。実はベリルの父モルデアのことも知っており、その経緯も気になりますが、やはりベリルの父も只者ではないようです。

戦いを終えたベリルとスレナがギルドで食事をしながら談笑する様子を見たメイゲンが「まるで親子だな」と呟いたのが印象的です。
(ちなみにメイゲンにはまだ幼い娘がいるのでした)

おっさん、新たな剣でパワーアップ?

ゼノ・グレイブルとの戦いで剣を失ったベリルはクルニと共に元弟子でもある鍛冶師・バルデルの店を訪れる。ベリルは騎士団での模擬戦に勝てなくなり悩んでいるクルニに「両手剣」を持たせる。
そしてバルデルは、スレナから預かったゼノ・グレイブルの鉤爪でベリルの剣を打つと言うのだった。

バルデルの店では自分の剣よりも先にクルニに見合う剣を探します。これもベリルらしい。
スランプだったクルニは、片手剣から両手剣へと持ち替えることで何かを掴みかけたようです。

ベリルはスレナからゼノ・グレイブルの鉤爪で剣を新調することを勧められていました。スレナはベリルが断ることを見越していたのか、事前にバルデルへ鉤爪と代金まで渡していたのでした。
「受け取れない」というベリルに、剣を一瞬で焼き切るほどの熱を纏っていたゼノ・グレイブルの力がベリルの剣となれば「アンタはまだまだ強くなる」と言うバルデル。この言葉でベリルの心も動いたようです。
この剣が完成すればベリルはさらなる高みへと到達しそうです。楽しみというか、そら恐ろしいというか😅。

そして印象的なのが、バルデルがベリルと握手してその強さを感じた時のイメージです。無数のタコのような触手と剣を持ったしなやかで細い手先、そして笑っているような歯並びと多くの眼。これにはバルデルも思わず息を呑みます。
2巻のゼノ・グレイブルとの戦闘シーンでも触手のイメージだけは描写されていましたが、今回は暗く深い不気味さ・底知れなさをも含んでおり、見事な表現だと思いました。

引用1(引用):片田舎のおっさん、剣聖になる~ただの田舎の剣術師範だったのに、
大成した弟子たちが
俺を放ってくれない件~』3巻82Pより

おっさんがペンダントを拾ったら。。。

ベリルは特別指南役の礼金を受け取った帰り、街中で少女から財布を盗まれそうになるが、これを難なく阻止。少女は魔法を放って逃走したがペンダントを落とし、ベリルがそれを拾った。
少女が現場を再び訪れたところにベリルが声をかけ、揉めている所にフィッセルが通りかかり、少女が魔力を持っていたため魔法師団の庁舎へ連れて行くことになる。

ベリルは財布の件は気にしておらず、単にペンダントを少女に返そうとしているだけです。
おおよそ人を憎んだりすることもないのでしょう。何か達観しているようにも思えます。

レベリス王国では魔術師は誰であれ重宝される。それでも少女が盗みを続けるのには何か理由がありそうです。ルーシーほか数名がその少女・ミュイと面談して事情を聞きます。
ミュイは隙をついてルーシーを羽交締めにしてテーブルナイフを喉に押し当て「死んだ人を生き返らせる魔法使いを連れてこい」と要求します。
ルーシーは冷静です。そもそもミュイにどうこうできる相手ではありません。ミュイにその理由を聞くと「姉を生き返らせる」と言うのでした。

ペンダントはミュイの姉の形見で、盗賊団「宵闇の魔手」の首領・宵闇からミュイへ渡されていた。そして「姉を生き返らせるには大金が必要」と言いくるめられてミュイは盗みを続けていたのだった。
ルーシーは「死者を生き返らせる魔法など存在しない」と断言し、ミュイはショックで愕然とする。

ミュイを騙して利用していた盗賊団に怒りを覚えるベリルとルーシー。そして二人はミュイの案内で盗賊団のアジトへ向かうのでした。

おっさんとルーシー、盗賊団と対決する

アジトのドアを開けるや否や盗賊団のひとりが剣を抜くと、ルーシーが即撃退して中へ入る。すると宵闇の指示でドアが閉められて二人は分断され、それぞれ取り囲まれた。
だがルーシーは盗賊団員たちを一蹴。宵闇にミュイの姉のことを問いただす。
一方ベリルはミュイを庇いつつ応戦。向かってきた大男を軽くあしらうのだった。

ここはルーシーの見せ場です。ベリルの本格的な戦闘シーンは残念ながら次巻へ持ち越し。

宵闇は強力な魔装具をいくつも所持しており、中でもあらゆる魔術を防ぐ魔装具「魔喰らいの皮衣」は厄介な代物で、ルーシーの魔術も無効化されてしまいます。
一時は宵闇がルーシーを追い詰めたかのように見えましたが、やはりそこは王国最強と言われる魔法師団長。不敵な笑みを浮かべて反撃に転じたところで3巻は終了。

宵闇が使う魔装具はいずれも高価なもので、一介の盗賊が複数所持しているところにも何か裏がありそうです。
それから宵闇ですが、乱暴な口の利き方をするミュイに対して部下から「ミュイに甘いのでは」と問われたシーンで、何かとって付けたような回答をしたのが少し気になりました。表面上はミュイを騙して利用しているように見せかけて実は保護しているのではないか、とも思えましたが、これは筆者の考えすぎでしょうかw。
外で魔法を使わないようにとミュイに繰り返し命じており、自分の手の届くところに置いておきたい考えはあったようです。
ミュイの姉のことといいまだ不明な点が多いので、何とも予想し難い部分です。

4 最後に

『片田舎のおっさん、剣聖になる』3巻の紹介でした。

ゼノ・グレイブルとの戦闘は最終局面、そして盗賊団との戦闘は序の口といったところです。
間を挟むようにバルデルとミュイの話が入っていますが、個人的にはバルデルが相手の手を握った際に感じるイメージの描写が印象的でした。ベリルのあの不気味な触手のイメージはクラーケン?なのでしょうか。猛獣ではないところに作者さんのセンスを感じました!

巻中には「バルデル式剣士イメージ診断」も載っています。例えばスレナは獅子といった具合です。あと「腕相撲ランキング」も12位まで載っているので、ぜひ確かめてみてください。

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片田舎のおっさん、剣聖になる~ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件~ 3巻

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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