『お気楽領主の楽しい領地防衛』なろう大人気作品のコミカライズ版
1 1巻のあらすじ
前世の記憶をそのまま受け継いだヴァンは努力を重ね、やがて神童と呼ばれるようになる。
周囲の期待を集めたヴァンだったが、8歳で授かった魔術適性が”役立たず”とされる「生産魔術」であったため、父から「領地である辺境の村を任せる」という名目で追放されてしまう。
そしてヴァンたち一行が辺境の村へ到着すると、村は今まさに武装集団の襲撃を受けていた!
2 主な登場人物
【ヴァン・ネイ・フェルティオ】
本編の主人公で転生者
本編の主人公でフェルティオ侯爵家の四男・現在8歳。転生者で生産魔術の適性を持つ。
前世の彼は「社畜サラリーマン」で10年間孤独に過ごしており、はっきりと描かれてはいないが過労死した模様。2歳で前世の記憶がよみがえり、その知識と経験を活かして努力した結果周囲から神童と呼ばれた。前世で孤独に過ごしていたヴァンは誰にでも分け隔てなく接し、実家のメイドたちや騎士団の団員、そして領民からも愛される存在となっていた。
転生してから楽しい日々を送っていたヴァンだったが、8歳で迎えた「魔術鑑定の儀」で適性が生産魔術であったことから父の失望と怒りを買い、辺境の村へ追放されることになる。
【ジャルパ】
ヴァンの父
ヴァンの実父でフェルティオ家当主・44歳。炎の魔術適性を持つ。
フェルティオ家は魔術の攻撃適性・特に炎の適性を至上としており、ジャルパはヴァンにも炎の魔術適性を期待していた。だが「8歳の魔術鑑定の儀」でヴァンの適性が生産魔術と分かると、その場でヴァンを自ら手にかけようとする。
しかし長男ムルシアが申し出た提案に戦略的な意義を認め、ヴァンに辺境の村を任せることにした。
【ムルシア】
ヴァンの兄
フェルティオ家の長男で14歳。風の魔術適性を持つ。
炎の魔術適性を至上とするフォルティオ家で風の適性を持つため、父や弟(次男と三男)たちから辛く当たられてきた。しかし誰よりも努力をしてフォルティオ家当主代行という立場を得ている。
魔術適性が生産だったヴァンが酷い目に遭いそうなのを見かねて、辺境の村をヴァンに任せることを父に提案した。ヴァンにとっては命の恩人であり、家族では唯一の味方。
【ティル】
ヴァン付きのメイド
ヴァン付きのメイドで18歳。
ヴァンが赤ちゃんの頃から世話をしており、ヴァンのことが大好きで「ヴァン様マスター」を名乗るほど。ヴァンにとっては「お姉ちゃん」的な存在。
当初はカムシンだけヴァンについていくという酷い話だったが、ティルも直談判してヴァンの専属メイドとしてついて行くことになった。
【カムシン】
ヴァンが奴隷として迎えた少年
ヴァンが奴隷として迎えた少年で10歳。彼の父によると「盗み」の魔術適性を持っているらしい。
8歳の時に街中で実父から虐待を受けていたところ、それを見かねたヴァンから奴隷として買われた。
そのためヴァンに恩義を感じており忠誠心は非常に厚い。
剣の訓練をサボったヴァンの代わりにディーから剣の指導を受けたため剣術に優れている。
辺境の村にはヴァンの世話係としてついて行くことになる。
【エスパーダ】
執事長
フェルティオ家の執事長で55歳。執事でありながら四元素魔術である土の魔術適性を持っている。
長年ジャルパを支えてきたコワモテの有能な執事。ヴァンが2歳の頃、その才能を見出してスパルタ教育を施した。その過酷さはヴァンに「二歳児に何しとんねん」と言わせるほどw。
ヴァンが辺境の村を任されたことで執事長を引退し、ついて行くことを決めた。まだまだヴァンを教育する気満々である。もはや生きがいか? ヴァンはこれを嫌がらせと感じているw。
【ディー】
騎士団副団長
フェルティオ家の騎士団副団長で38歳。豪放磊落な性格。
ヴァンが5歳の頃から「王国一の剣士にして見せますぞ!」と言って剣の指導をしてきた。ヴァンは前世で武道が好きだったこともあって、5歳にして年上の少年兵とも渡り合っており、ディーはその才能を認めていた模様。その指導は脳筋なスパルタ方針で、ヴァンからは「鬼ではなく、馬鹿だったようだ」と思われているw。
ヴァンに自分の剣の全てを叩き込むため、何だかんだと理由をつけて辺境の村へ同行することを決めた模様。ヴァンはこれも嫌がらせと感じているw。ちなみにディーの部下2名も勝手についてきた。
ヴァンのことは「侯爵家の将来を担う存在」と認識している。ヴァンは廃嫡された訳ではないので跡取りになる可能性は残っているのである。
【オルト・シート】
護衛として雇われた冒険者
ヴァンが辺境の村へ向かう際の護衛として雇われた冒険者の1人。雇われた二つの冒険者パーティーのグループリーダーを務めた。
貴族には強い不信感を抱いていたが、初対面から貴族らしからぬフレンドリーな態度で接してくるヴァンに他の貴族とは違う何かを感じていた。そして村へ着くまでの2週間ですっかりヴァンのことを気に入ってしまう。
目的地の村に到着するや否や、村を襲う武装集団との戦闘が始まるのだが、そこで「本物の貴族の覚悟」を見せたヴァンに興味を持ち、彼の村に残ることを決意する。
【プルリエル】
オルトのパーティーメンバー
オルトのパーティーメンバーの1人。魔術を使うようだが今のところその詳細は不明。
村を襲った武装集団との戦闘で窮地に陥るが、ヴァンとカムシンにより助けられた。
その後プルリエルはヴァンへ謝意を示すのだが、「忘れていいよ」とにこやかに答えるヴァンの姿に心を掴まれてしまった。
2巻以降の活躍に期待のキャラ。
3 作品の感想と見どころ
ヴァンの適性である生産魔術は多様な魔術の中でも「最も不遇な魔術」であり、錬金術とも呼ばれるものだった。
なぜ生産魔術が不遇なのか?
その理由は「材料を用意して頭の中で想像力を働かせてモノを作るが、かなりの魔力を消費する上に大したものが作れない」から。しかもそれが他の魔術適性者でも作れてしまう程度だから。
ジャルパのヴァンに対する失望と怒り
ジャルパと亡き妻ミラは炎の魔術適性を持っており、息子であるヴァンにも炎の魔術適性が期待されていた。ヴァンが神童と呼ばれていただけにジャルパの落胆は分からなくもないですが、それでも実子を手にかけようとしたのはどうかと思います。
長男ムルシアの機転がなければ「お気楽領主!完!」となるところでしたw。
実はとんでもない能力を秘めている生産魔術
ヴァンの生産魔術については1巻の冒頭でその力の片鱗が披露されたのみで、本格的に描かれるのは2巻以降になります。
その代わり、ヴァンが周囲の人々の心をガッチリ掴んでいく様子が描写されています。
ヴァンが人の心を掴んでいく理由として
- 貴族でありながら誰にでも分け隔てなく接する
- 大人びた落ち着きを見せるが、人懐っこい子供にも見えるという不思議な魅力を放つ
- 自分の命さえ厭わず「誰も死なせず守る」という貴族の覚悟を持っている
そして頭の回転も早く、騎士並に強くて肝も据わっている。何より他の貴族のように平民を見下すことがない。貴族が嫌いだったオルトと彼の仲間までヴァンのファンになったのも納得です。
1巻の見どころ
1巻の見どころは辺境の村を襲った武装集団との戦闘シーンです。この”名もなき村”はヴァンの領地となったわけで、ヴァンは村に到着早々領主として戦うことになります。
そしてエスパーダが作戦を立てますが、それは自らの犠牲を覚悟したものでした。それを聞いたヴァンは、自分が囮になると言います。
それを聞いたティルは必死の表情で涙ながらに止めようとし、カムシンは同行を申し出る。
ヴァンは「僕が最高責任者」と前置きしたうえで、その場にいる各人に言葉をかけます。
このシーンは感動的で、名シーンです!
各人の立場・状況を踏まえたうえで優しく的確な言葉をかけるヴァン。ここはぜひ手に取って読んでいただきたいシーンです。
当初オルトたちは護衛の依頼しか引き受けていなかったため戦闘に参加しようとしませんでしたが、ヴァンの覚悟にオルトたちも心を動かされて参戦します。
わずか8歳のヴァンがこのような貴族の覚悟を見せれば、誰でも心揺さぶられると思います。
そしてエスパーダの指揮の元、ヴァンたちは一致団結して武装集団との戦闘に突入します。
4 『お気楽領主の楽しい領地防衛』1巻の感想と見どころのまとめ
『お気楽領主の楽しい領地防衛』の感想と見どころの紹介でした。
人への気遣い・優しさ・思いなどが伝わる良作です。人気が高まっているのも頷けます。
優秀であり、かつ貴族でありながら誰に対しても分け隔てなく接するヴァン。人望が集まるのも自然なことで、天然の”人たらし”でもあります。
今後も信頼できる有能な仲間を増やして行くのではないでしょうか。
以前から好きな作品でしたが、最新6巻が出たことであらためて読み返すと
「やっぱり面白い!!」
となったので、未読の方へ紹介したいと思い記事にしました。
おすすめの作品なので、ぜひ読んでみてください!
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最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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