あらゆるモノを作るヴァンの生産系魔術|辺境の村は城塞都市へと変貌を遂げる
当初はヴァンも生産系魔術で何ができるのか自分でも把握できていなかったのですが、村へ向かう道中で訓練を重ねて「イメージを明確にして生産系魔術を使う」、というコツを掴んでいました。
まずは盗賊から村を守ることが最優先と考え、ヴァンは仲間たちと共に村の防衛力強化に取りかかります。
ヴァンの目的は村を”みんなと気楽に楽しく暮らせる場所”にすること。ヴァンの生産系魔術に注目です!
1 2巻のあらすじ
そもそも村が辺境の地にあるために発展することも困難だったのだが、それに加えて盗賊から襲撃されるようになり村民たちは苦難続きの生活を送っていた。ヴァンは領主として村を発展させることを村長らに約束するのだった。
ヴァンは役立たずと言われている「生産系魔術」で何ができるのか検証を重ねていた。その能力は役立たずどころかとんでもない能力だった。
ヴァンは生産系魔術で強力な武器や家屋などを作り、さらには巨大な門や城壁まで作って村は要塞と化していく。そんな中、村に強力な魔物の大群が迫っていた!
2 2巻の新キャラ(少なめ)
【ロンダ】
辺境の村の村長。長く伸びている白い髭が特徴的。
この辺境の村は以前フェルディナット伯爵領だったが、その後フェルティオ侯爵(ヴァンの実家)領となった経緯があり、フェルティオ侯爵家が騎士団の巡回を取りやめたことで盗賊に襲われるようになっていた。このため侯爵家には不満や怒りを覚えていた。
ヴァンの適性が生産系魔術だと知るとあからさまにガッカリして見せたが、ヴァンがその生産系魔術で家を作れると聞くと、自分も村人を連れてちゃっかり頼みにやってきたw。
【マラガ】
ロンダの息子。
父ロンダと同じく貴族に対する怒りを募らせており、ヴァンとの対面時では声を荒げてヴァンから諌められた。
ヴァンの横にいた二人が筆頭執事だったエスパーダと騎士団副団長のディーと知って大いに喜んだが、ヴァンが生産魔術師だと知るとロンダ同様あからさまにガッカリして見せた。
3人とも生産系魔術と聞いて思いっきりガッカリしており、ヴァンは後で「あんなに落胆することないのに」と、少し傷ついた感じだったw。
3 2巻の感想と見どころ
ヴァンの生産系魔術がお披露目される!
やはりこれが2巻の見どころ。
生産系魔術を使う際、イメージをできる限り細かく意識することで、物の形を作り変えることができるのだ!
まずは「砕けない」ウッドブロックを作る
これはセルロースナノファイバーのようなものだろうか。
ヴァンは生産系魔術を使って極めて高密度で鉄よりも丈夫な極小繊維体を作り出したのです。
精巧な小物や武器を作る
そしてカムシンには日本刀のイメージで作った剣を、ティルには斧を作って渡すヴァン。
ティルは「思っていたのと違う」とは言えず、必死に喜んだフリをしているw。ヴァンは「後で可愛い装飾品を作ってあげよう」と思うのだった。
ちなみにこのカムシンの剣は、冒険者クサラが持っていた自慢の「オークナイトの盾」を軽く当てただけで真っ二つにしてしまった。これならティルの斧もかなりの業物のはず。
村の門を強化する
「生産系魔術で何ができるか試す」と言う名目でヴァンは村の門を強化しようとします。
同行していたエスパーダやディーは「生産系魔術で?」と懐疑的な態度。これが生産系魔術に対する普通の反応なのでしょう。
普通ならオルトが全力で斬撃すれば木など真っ二つになっているところ。ヴァンは質問攻めにあいながらも「自分も力になれる」と満足気。
自分の家と村民たちの家まで作る
ヴァンたちは泊まれる場所がなく馬車で寝泊まりしていました。さすがにこのままでは皆が疲労困憊となってしまう。
村の防衛よりも衣食住を整える方が先、ということでヴァンは家を作ることに。まずは自分とエスパーダ、ティルとカムシンの4人で住む家です。
簡易的なバリスタを作る
バリスタとは「巨大なクロスボウ」のような武器のこと。「簡易的」とは言え立派な仕様に見えます。ヴァンは村の四方に物見櫓を作ってその屋上にバリスタを設置し、村は城塞都市のように変貌を遂げていました。
この言葉は人の生き方・考え方のヒントのようなもの。普通の8歳児が言うセリフではありませんw。さすがは元アラサーの転生者、といったところでしょうか。
あらゆる可能性を秘めたヴァンの生産系魔術
この世界で重宝される攻撃力の強い四元素魔術が「動」とするなら生産系魔術は「静」と言うイメージです。
エスパーダはヴァンが屋敷を作った際、生産系魔術は平時にこそ求められる能力だと言いました。
ディーは村が要塞と化した際、生産系魔術は戦時でも十分役立つと主張し、ジャルパがヴァンを追放したことを嘆きます。
村にダンジョンが存在する?
それを見たエスパーダは村に新しいダンジョンがある可能性について語ります。
もしダンジョンが存在するなら村の重要度は格段に増して、この村の風向きも変わるのです。
それにヴァンを役立たずとみなしている実家の侯爵家がダンジョンのことを知れば、必ず兄の誰かに差し出されるでしょう。
村の大きなハンデでもあった金策の部分にも光明も見えて来ました。
盗賊の襲撃かと思いきや、背後には魔物の大群が!
ここからがもうひとつの見どころ。
村の要塞化を終えたタイミングで見張りの村人から「盗賊が来た!」との報せが入ります。
ヴァンは村民たちに配置の指示を出し、自分も防壁を登ろうとしたところ、ティルに腕を掴まれ止められます。ティルは怒ったような表情で無言のまま涙を浮かべている。。。
これにはヴァンも動けません。ヴァンはディーに敵の様子を見に行くよう頼み、自分は後ろから指示を出すと伝えます。
騎士団副団長ディーの出番である!
ディーいわく、甲殻亜龍は一頭に対して手練れの騎士数名がかりでも命の危険がある、というレベルの魔物。それが大群で押し寄せているという危機的状況です。
戦い慣れているオルトたちは資材調達で不在で効果的な魔術が使えるのはエスパーダのみ、そして戦闘力が見込めるのはディーたち騎士3名のみ。
しかしヴァンは冷静です。バリスタの「鉄の槍」で攻撃するよう村民へと指示を出します。生産系魔術で作った武器に自信があるのでしょう。
そしてディーは笑みを浮かべて叫びます。「皆の者!今夜はトカゲの串焼きである!」
2巻はここで終了です。いい所で終わってしまいました。
ディーの活躍とバリスタの威力のほどについては次巻へ持ち越しです。
4 最後に
『お気楽領主の楽しい領地防衛』2巻の紹介でした。
ベールを脱いだヴァンの生産系魔術。人々の常識を超えたものを作り出すとんでもない能力でしたが、本来この世界では不遇とされている魔術です。
ヴァンが特別なのか、それもヴァンの魔力の大きさに関係しているのか、今後その理由が明かされるのか気になるところです。
この作品が気になった方は、ぜひ読んでみてください。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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