存在感を増す強キャラ・パナメラ。そしてヴァンたちは巨大な緑森竜を迎え撃つ!
4巻のあらすじ
そして人質同然の婚約者として送られたアルテは、不遇とされている生産系魔術で村を開拓するヴァンの姿に衝撃を受ける。彼女もまた、不遇とされる魔術を持っていたのだった。
そんな中、村は突如として現れた緑森竜の襲撃を受け、かつてない危機が迫る。
主要な登場人物
【ヴァン】
本編の主人公で転生者。現在8歳。
フェルティオ侯爵家の四男でかつては神童と呼ばれたが、授かった魔術が不遇(役立たず)とされる生産系魔術だったため辺境の領地の村へ追放された。しかしヴァンの生産系魔術は規格外の能力で、村を城塞都市へと変貌させた。
【パナメラ】
フェルディナット伯爵家の派閥に属する新興貴族で、一代で騎士から子爵まで出世した傑物。
実家で冷遇されていたアルテの庇護者的な存在。
ヴァンの人柄や能力に感銘を受け、お互いにとって初めてとなる貴族同士の同盟を結ぶことになる。
【アルテ】
フェルディナット伯爵家の末娘で現在10歳。
貴族から「悪」とされ嫌われている「傀儡の魔術」を持っていたため実家で冷遇されていた。
そのため自己評価が低く対人恐怖症気味になっている。
【エスパーダ】
フェルティオ侯爵家の元執事長。ヴァンが辺境の村へ追放されたのを機に引退してついてきた。
執事ながら四元素魔術である「土」の魔術適性を持っている。
ヴァンへの教育を生き甲斐に感じている節があり、その点はヴァンから嫌がられているw。
【ディー】
フェルティオ侯爵家騎士団の副団長で、追放されたヴァンについてきた中のひとり。
騎士としての戦闘力も高いが、戦闘の指揮能力については誰にも負けないと自負している。
ヴァンに剣術を教えることを生き甲斐にしている節があり、その点はヴァンから嫌がられているw。
※4巻で新キャラは出ませんでした。
4巻の感想と見どころ
アルテが受けた衝撃と芽生えた希望
「彼と自分とでは何が違うのだろう」
ヴァンへの嫉妬のような気持ちは強い興味へと変わります。アルテは傀儡の魔術を使うことをやめていましたが、「少しだけ頑張ってみよう」と前を向くことができたのです。
パナメラ、ヴァンに惚れ込む
しかしヴァンが村を城塞都市へと作り変えたその能力、人望、人柄など総合的に判断して「完璧に近い」と評し、さらには「歳が近ければ自分が婚約者として名乗りを上げてもいい」という最大級の賛辞を送ります。
パナメラはアルテの意向を確認しますが、アルテは困惑している様子。それを見たヴァンはとりあえず村に住むことを提案します。
パナメラはヴァンに婚約のメリットを語ります。しかしヴァンは逆に伯爵家にはメリットがないと考え、伯爵家とパナメラの意図するところが読めなくなります。
ヴァンに歩み寄ろうと努力するアルテ
アルテはまるで怯える小動物のようですが、勇気を振り絞ってヴァンと会話をしようとする姿が健気です。
パナメラは翌日には帰るつもりでしたが、そんなアルテを見てあと数日村に滞在することを決めます。そしてこれが後日村を救うことにもなるのでした。
パナメラとアルテ、アプカルルに驚く
ここで久々にラダプリオラの登場。相変わらず「私はヴァンの嫁」と言いますが、ヴァンはやんわりと否定。これを聞いてまだ子供のプリオラの仲間たちは「いじめた!」と騒ぎますw。
しかしヴァンが「果物をあげる」と言うとあっさり機嫌を直すあたり、まだまだ子供。ここは”ほっこりする”シーンです。
一方、パナメラとアルテは幻の種族とも言われるアプカルルが村にいたことに驚きますが、それ以上にヴァンがアプカルルと婚約している(してませんw)ことに驚くのでした。
初の貴族との同盟成立
貴族との繋がりが少ないヴァンはこれを好機と判断して同意するのでした。
パナメラは早速、バリスタを一台譲る代わりに自分の兵士を二週間貸し出すことを提案。彼ら兵士はヴァンの予想通り有能で、城壁作りに大きく貢献することになります。
まさにウィンウィンの関係。
これもエスパーダの四元素魔術(土)とヴァンの規格外の生産系魔術の成せる業。
最大の見どころ・緑森竜との総力戦
この作品は人間関係が本当に上手く描かれていると思います。
そしてディーたち騎士とエスパーダも駆けつけ、まさに総力戦です。
(引用)『お気楽領主の楽しい領地防衛』4巻150Pより
緑森竜と対峙するエスパーダ。痺れるシーンです!
ここからの内容は迫力満点。ぜひ本編でご確認ください!
2巻で村にダンジョンがある可能性が語られましたが、そこに絡む話なのかも知れません。
最後に
絵が綺麗で戦闘シーンも迫力があり話のテンポもよく、やはりレベルの高い作品だと改めて感じました。
両親から愛されなかった彼女には、ヴァンの村で明るく笑えるようになって欲しいものです。
前巻では表情が硬かったパナメラもヴァンに惚れ込んだことで態度もずいぶん変化し、同盟を結ぶ仲となりました。かなり良いキャラクターなので、今後読者ファンが増えそうな気がします。
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