緑森竜を撃退!だが隣村からの移住やダンジョン発見など波乱は続く
『お気楽領主の楽しい領地防衛』5巻のあらすじ
パナメラはスクーデリア国王にヴァンの功績を伝えて叙爵を陳情。ヴァンは国王から強い興味を持たれることになるが、無事爵位を授かって男爵となった。
そして村では、隣村から移住の相談を受け、オルトたちはダンジョンを発見してしまうなど、波乱は続くのだった。
主要な登場人物

【ヴァン】
本編の主人公で現在8歳だが、現代日本からの転生者で中身はアラサー。性格は前向きで楽観的なところもある。
魔術適性が最も不遇とされる「生産系魔術」だったため、実家のフェルティオ侯爵家から辺境の村へと追放された。
しかしヴァンの生産系魔術の力は凄まじく、村を城塞都市へと作り変えてしまうのだった。

【エスパーダ】
侯爵家の元執事。ヴァンの素質を見込んで幼少の頃から教育してきた。厳格で感情をあまり表に出さないタイプである。
ヴァンの追放が決まると、執事を引退してヴァンに着いてきた。四元素魔術の「土」の使い手であり、知識も豊富でヴァンにとって頼れる存在。

【ディー】
侯爵家騎士団の副団長だが、エスパーダと同じくヴァンに着いてきた。性格は真っ直ぐで豪快。
ヴァンの武器が強力とはいえ、緑森竜にとどめを刺すなど飛び抜けた戦闘力を誇る。

【ティル】
侯爵家でヴァンが赤ちゃんの頃から世話をしてきた専属メイド。追放されたヴァンに無理を押し通して着いてきた。ヴァンにとっては”お姉ちゃん”的存在。

【カムシン】
8歳の時に親から奴隷として売られようとしていたところをヴァンに助けられ、そのまま侯爵家でヴァンに仕えていた。このためヴァンに対しての忠義は厚い。現在は10歳。
ちなみにヴァンの追放にあたっては、カムシンだけが着いていくことを正式に許されていた。
現在ディーから剣の特訓を受けており、その腕前はヴァンの一歩先にいる。

【アルテ】
フェルディナット伯爵家の令嬢で現在10歳。貴族から”悪”とされる「傀儡」の魔術適性を持つ。
元々自己評価が低いうえに両親から冷遇されていたことで、臆病で引っ込み思案な性格になっている。名目上はヴァンの婚約者だが、実質的に追放される形でヴァンの村へ送られた。
自分と同様に実家から追放されたヴァンが領地を改革している姿を目の当たりにして、ヴァンに対して強い興味を持った。現在は好意を持つに至った様子。

【パナメラ】
フェルディナット伯爵家の派閥に属する貴族で、騎士から異例の早さで子爵となった女傑。
アルテと共にヴァンの村を訪れた。当初はヴァンを警戒していたが、辺境の村を城塞都市に変貌させたヴァンの能力に惚れ込み、貴族同士の同盟を結ぶに至った。
現状、ヴァンが唯一頼れる貴族である。
5巻の新キャラ

【ディーノ王】
スクーデリア王国の現国王。20年をかけて軍事改革を成し遂げただけに、パナメラなどの実力者を可愛がる傾向がある。
パナメラからヴァンへの叙爵の陳情を聞く中で、ヴァンの活躍ぶりに強い興味を持った。ヴァンの今後に大きく影響しそうである。

【フラミリア】
男爵家の令嬢だが、実家は没落。このため王都へ仕事を探しに向かっていた途中でオークに襲われ、間一髪のところでクサラに助けられた。その後、クサラの勧めで一緒にヴァンの村へとやって来た。
本人によると30歳とのことだが、クサラは「ご冗談を。20歳にも見えやしませんぜ」と言って信じていないw。
表紙のメイドさんがいいキャラしてますw。
同じ異世界ファンタジー物で、主人公が実家から追放&領地経営という共通点もあり、楽しめると思います!
『お気楽領主の楽しい領地防衛』5巻のストーリー展開
第22話『商談』
冒頭、パナメラより「緑森竜の討伐へ貢献した者」への表彰が行われる。パナメラは討伐を「信じられない快挙」と讃え、ディー、エスパーダ、そしてヴァンの3名を表彰すると、村民たちから大きな歓声が上がった。特にヴァンにはひと際大きな歓声が上がるのだった。人気者である。
ベルは緑森竜の素材は白金貨100枚の価値があり、さらに王都での競売で150枚にはなる、とヴァンに話す(白金貨1枚=日本円で約1億円)。
しかし、ランゴが村に連れてきていたメアリ商会の商人たちが提示したのは白金貨80枚。
ヴァンはこの商人たちが「この場限りの取引だと考えている」と見抜き、「考えておく」と答えるのだった。商人たちは、適正価格を正直に伝えたベルとランゴに怒りをぶつける。しかもヴァンの目の前で。これは悪手。
これがきっかけで、ベルとランゴはメアリ商会と決別して独立することを決心。しかし商会設立の要件のひとつである「爵位を持つ者の推薦」がネックとなるのだった。
第23話『爵位』
ベルとランゴの商会設立に当たり、ヴァンは唯一頼れる貴族であるパナメラへ相談。パナメラには分の悪い話かと思ったが、パナメラはあっさりと承諾する。
そしてパナメラは、緑森竜討伐という快挙はいずれヴァンの実家・フェルティオ侯爵家にも届くと言う。それを聞き、実家に呼び戻されることを危惧するヴァン。
そんなヴァンにパナメラは「実家に連れ戻されたくなければ爵位をもらえ」と助言。ヴァンは実家の反応を想像して不安を感じるが、結局は「ヴァンがひとりで緑森竜を討伐したことにする」というパナメラの案に乗るのだった。これでパナメラはヴァンに”貸しひとつ”となったw。
一方、メアリ商会の商人たち一行はヴァンに断りなく村を出立していた。自分たちがいないと緑森竜の素材を運べないと思い、ヴァンたちの方から泣きついてくるのを待っているのだった。
だが、ヴァンは生産系魔術で運搬用の大型馬車も作れるのだ。なお、馬車を引く馬はパナメラが鍛えられた軍馬を提供した。
そしてヴァンへの叙爵の陳情も兼ねて、素材の運搬はパナメラとその家臣たちが担うことになり、王都へと向かう。
第24話『ディーノ王』
パナメラはスクーデリア王国のディーノ王へ謁見し、ヴァンの活躍を報告。
その信じられないような内容に周囲はざわつくが、”実力者”を好むディーノ王は「直ぐにでも会いたいものだ」とヴァンに強い興味を持つ。
ヴァンの爵位は男爵となり、緑森竜討伐の褒賞は”後日決定”となる。
ベルとランゴは「ベルランゴ商会」を立ち上げ、ヴァンの噂は王都内で最も大きな話題となるのだった。
パナメラたちがヴァンの村を出てからも村の改造は進み、「オリゴ塔」と「ブドウ塔」(※「糖」ではない😂)という名の二つの塔も建てられた。
これらの塔は、ヴァンが登るのに10分はかかる高さ。頂上からはかなり先まで見通すことが可能で、見張り台なのだろう。そしてカムシンが村へ向かってくる集団を目視で発見する。
ヴァンは集団の代表者を屋敷へ迎え入れるのだが、その代表者は「ここは”セアトの村”ですかな」と尋ねるのだった。
ヴァン『…セアトの村?』
第25話『セアトの村』
ヴァンは「セアトの村」についてエスパーダに尋ねたところ、以前この村にセアトという民が住んでいたらしく、その名残で「セアトの村」と呼ぶ者もいる、などとしれっと回答w。
ヴァン:「名もない辺境の村」って、名前あるじゃないの!!
代表者たちはフェルディナット伯爵領である隣村から来たという。彼らは重税や兵役のため非常に困窮しており、セアト村と共に暮らせないかと相談するために訪れたのだった。
事情を聞いたヴァンは、伯爵家から領民を奪うことになるのを承知の上で、彼らを受け入れると決める。困った人は見過ごせないのである。
代表者によると彼ら村民は総勢300名前後で、村には牛がいるという。ヴァンは牛と聞いて期待に胸を膨らませるw。
そしてヴァンは生産系魔術で先行者集団13名の家を作って提供し、歓迎会まで開くのだった。
場面は変わって、オルトたちパーティーが戻って来て、「ダンジョンの入り口を発見してしまった」と言う。ダンジョンについては、様々な理由で発見しないようにしていたのだ(2巻・第10話参照)。
だが見つけてしまった以上、
「王都への速やかな報告」が必要であり、
「ヴァンの父が横取りしてしまう」ことを避けるため、
「誰にも知られずに一番に王都へ報告することが最善」
ということになり、斥候でダンジョンの発見者でもあるクサラが適任ということで、ヴァン制作の「ミスリルの短剣」を手に、ひとり王都へ向かうのだった。
そしてクサラはその道中で、横転した馬車とそれに群がる3体のオークを目にする。
表紙のメイドさんがいいキャラしてますw。
同じ異世界ファンタジー物で、主人公が実家から追放&領地経営という共通点もあり、楽しめると思います!
第26話『同行者』
クサラはミスリルの短剣でオークたちを難なく倒すと、馬車の中から女性・フラミリアが現れた。
彼女は男爵家の令嬢なのだが、家が没落したため仕事を求めて王都へ向かう途中だと言う。
クサラはひとりで行こうとする彼女を自分の馬に乗せ、同行することにした。
そしてクサラたちは無事王都へ到着、冒険者ギルドにダンジョン発見の報告をする。
翌日、クサラはフラミリアを連れて村へと向かうが、ダンジョンで一攫千金を狙う冒険者たちが大勢着いてくるのだった。
一方、オルトたちは隣村の村民たちを護衛しつつ、セアトの村へと案内していた。
セアトの村が変貌を遂げたことを知らない彼らは、村に何を期待しているわけでもなく、足取りは重かった。
だが到着すると彼らには歓迎会と300名分の家までが準備されていて、今のセアトの村の実態を知らなかった彼らは驚きを隠せない。
そしてヴァンはダンジョン目的の冒険者用に、村の外に”町”を作る準備に取り掛かる。
宿の経営や治安維持なども含め、エスパーダの知恵を借りて構想を固めるのだった。
そこへ隣村の村民たちが「仕事はないか」と相談にくる。ヴァンは彼らに新しい町で働いて欲しいと伝え、セアト村の村長は彼らに暖かい言葉をかけるのだった。
そしてヴァンはセアト村の村民たちに「もっと頑張ってもらうからね!」と言い、場が盛り上がったところで「急いで新たな町を作ろう!」と発言。村長たちが驚き固まった場面で5巻は終了w。
まとめ
『お気楽領主の楽しい領地防衛』5巻の感想と紹介でした。
本巻では、ベルランゴ商会の設立、ヴァンの叙爵に隣村の民の受け入れ、ダンジョン発見と町作りなど盛り沢山の内容でした。これらの出来事で、村はますます発展を遂げることでしょう。
そして村に「セアトの村」という名前があったことで、ヴァンが嫌がっていた「ヴァン村」「ヴィレッジ・ヴァン」「ヴァンタウン」とはならずに済むようです(笑)。
そしてディーノ王の関心を惹いたヴァン。もう「気楽に楽しく」とはいかなくなる?
今後の展開に期待です。
※電子書籍ならebookjapanがおすすめ!
▶︎ ebookjapan「お気楽領主の楽しい領地防衛」5巻
この記事はここまでです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
======================