『雑用付与術師が自分の最強に気付くまで』の基本情報
原作:戸倉 儚/作画:アラカワシン 掲載紙:モンスターコミックス/双葉社
コミカライズ版『雑用付与術師が自分の最強に気付くまで』は累計で200万部を突破、原作小説(双葉社Mノベルス)も累計270万部を記録している大人気シリーズです。
本記事では『雑用付与術師が自分の最強に気付くまで』のコミカライズ版について、あらすじや登場人物、アニメ化の可能性についても紹介していきます。
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『雑用付与術師が自分の最強に気付くまで』1巻のあらすじ
ある日、彼は仲間を守るため決死の覚悟で階層主を単独で倒すのだが、逆にメンバーから手柄を横取りされたと逆恨みを買ってしまい、パーティーを追放される。
その後、同郷のハイデマリーから彼女が属する「夜蜻蛉」に勧誘され、入団テストを兼ねた迷宮潜(ラビリンスダイブ)に同行することになるのだった。
定義としては「意識を介した物を変化させる魔術」と作中で語られている。
主要な登場人物

【ヴィム=シュトラウス】
本編の主人公で付与術師。
基本的には非戦闘員だが、戦闘時には「山刀」(マチェット)を武器に使う。
迷宮都市・フィールブロンでB級冒険者パーティー「竜の翼」に所属し、あらゆる雑務を一手に引き受け、非戦闘員としてサポート役に徹していた。長い間「竜の翼」で虐げられていたためすっかり卑屈になっており、自己評価が異様に低い。
しかし「夜蜻蛉」の体験入団で、彼が索敵や状況判断、そして強化魔法など優れた能力を持っていることが明らかになっていく。
付与術や迷宮などについて研究し、自己研鑽している努力家でもある。「夜蜻蛉」の体験入団の際、付与術について団員に説明する際には饒舌になるなどオタク気質も持っているw。
笑う時「フヒヒ」「ふへへ」と口にする。これをクロノスが嫌い、彼から止めるよう言われていたが、ハイデマリーはこの笑い方が好きだと言う。
「移行:『傀儡師』」(ペプンシュピーラー)を使って迷宮の階層主を単独で倒すほどの実力を持っているが、本人は「雑用しかできない」と思い込んでいる。
このアンバランスさと、彼がペプンシュピーラーを使う時に普段の卑屈な性格から戦闘狂のようになるというギャップが、彼の不気味さを際立てている。

【ハイデマリー】
ヴィムの同郷の幼馴染。希少職である「賢者」の74代目で、Aランク冒険者パーティー「夜蜻蛉」の次期幹部候補という実力者。ちなみに「夜蜻蛉」の団員からは「変人」だと思われているw。
ヴィムの本当の実力を知っており、「竜の翼」をクビになったヴィムを「夜蜻蛉」に勧誘した。
また、ヴィムに強い執着心を持ち、いわゆるストーカー行為をしていている。ヴィムには気づかれていないが、周囲にはバレているw。

【カミラ】
「夜蜻蛉」(ナキリベラ)の団長。冷静沈着な人格者で、団員からの信頼も厚い。フィールブロン最強の戦士のひとりでもある。
ヴィムの体験入団で彼の飛び抜けた索敵能力や強化(バフ)を目の当たりにし、団員たちが驚く中、冷静にその実力を認めた。さらには自身も彼にリクエストして「攻撃に全振り」した強化(バフ)を受け、その絶大な効果を体感。ヴィムの能力をどれも一級品と評価し、「団にぜひ欲しい!」と思うのだった。

【アーベル】
「夜蜻蛉」の盾部隊に所属し、若年だが部隊長をしている。ヴィムとは同年代の好青年。
ヴィムの能力の高さに感服し、やがて彼を「目標」にすることになる。

【クロノス】
B級冒険者パーティー「竜の翼」(ドラハンフルーグ)のリーダー。
ヴィムの付与術の絶大な効果に気づいておらず、それが自分と他の仲間2人の実力だと思い込んでいる残念な男。
ヴィムを見下していいようにコキ使っていたが、迷宮で階層主の一撃を喰らって仲間共々失神している間にヴィムが階層主を倒してしまったことが気に入らず、ヴィムを追放した。
『雑用付与術師が自分の最強に気付くまで』の魅力について
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得体の知れない主人公・ヴィム
冒頭でも述べましたが、やはりこの作品の魅力は「先の読めない展開」だと思います。
これには、卑屈でありながらも異常に高い能力を示す矛盾した存在であるヴィムに、まだ隠された秘密があることも含まれています。
なお、ハイデマリーはその謎の部分も知っているようで、この先のストーリーの中で明かされるかも知れません。
また、ヴィムが体験入団で迷宮の第97階層に降り立った時、呪文のような”不気味な文字”が頭の中に浮かびます。ヴィムは「空耳」かと思うのですが、これも謎のひとつです。
こうした要素が、ヴィムの”得体の知れなさ”をより強めています。
(引用)『雑用付与術師が自分の最強に気付くまで』1巻第3話より
ヴィムの頭の中に響いた謎の文字
主人公の逆転劇に感じるカタルシス
「竜の翼」は、わずか数年でBランクパーティーになった新進気鋭のパーティーですが、本来的には中堅程度の実力しかなく、ヴィムの存在なしには成し得なかったことなのです。
カミラから認められてもヴィムは自己評価が低いままですが(笑)、読者はこの逆転劇にカタルシスを感じることでしょう。
ヴィムの付与術と戦闘シーンの描写
単純に、ヴィムが付与術や索敵などを使う際の描写がカッコいいのです。
(引用)『雑用付与術師が自分の最強に気付くまで』1巻第3話より
索敵のシーン
(引用)『雑用付与術師が自分の最強に気付くまで』1巻第4話より
付与術(強化)のシーン
こういった描写が素晴らしく、作者さんの実力の高さがわかります。
このほか、迷宮内の描写も見事で、モンスターたちが独創的で不気味な点もこの作品独自の魅力として挙げておきます。ぜひ本編でお確かめください!
『雑用付与術師が自分の最強に気付くまで』のアニメ化は?
残念ながら、2025年3月時点でアニメ化決定の情報はありません。
しかし原作小説・コミカライズ版がいずれも大人気であることと、コミカライズ版が8巻まで刊行されていて作品のボリューム的にも十分なことから、今後アニメ化される可能性は高いでしょう。
コミュ障でダークな雰囲気を持った主人公・ヴィムがアニメでどのように表現されるのか、見てみたいものです。カミラ団長の凛々しい姿にも期待です(笑)。
アニメ化を望む読者の声も多いようなので、今後の作品情報に注目です。
まとめ
コミカライズ版『雑用付与術師が自分の最強に気付くまで』1巻の感想と紹介でした。
導入部分こそテンプレの”パーティー追放モノ”で始まりますが、謎が多くてちょっと不気味ですらある主人公・ヴィムの存在感が際立っており、先の読めない展開と合わせて作品から目が離せません。
また、キャラデザがしっかりしており、魔法や迷宮内の描写も緻密で、読んでいて楽しめます。
個人的には、異世界作品の中でも頭ひとつ抜けた傑作のひとつだと思っています。
本当におすすめできる面白い作品です!
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最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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